私はSAO(ソードアートオンライン)を読んでいる。それこそWEB小説だった時代から目を通しているし、サイトの裏ページにあったXXXな文章にも目を通しているくらいには追っている。
そんなSAOがスロットになり、そしてスマパチになった。スロットはうんともすんとも言い難い出来だった(ビーターになれるかどうかが勝ち負けを握っている)が、スマパチは面白そうだった。
https://www.kyoraku.co.jp/product_site/2023/sao/
リゼロぱちんこで一世を風靡した「先バレ」が搭載されているのである。私はこの先バレが得意で好きで仕方がない。先バレのHIT率は5割を軽く超えているし、プレミア死に戻りなんのその。東京のナツキ・スバルだと思っていた時期もあったくらいだ。
そんな訳で、仕事を休んで人生初めての朝一パチンコをすることに決めたのである。待っていろよアインクラッド。私が……いや、この俺が全階層を突破してゲーム・クリアしてやるぞ。
前日
パチ屋は朝の十時から開店する。つまり十時がSAOのログイン開始時刻という訳だ。寝坊する訳にはいかない。これまでの罪と罰を丁寧にお風呂で洗い落とし、しっかりと仕事の疲れを落とすことにした。
生憎と翌日は台風が直撃する日程であったが、朝一から打ちたいという気持ちは変わらなかった。ああ、人生初めての朝一だ。とても楽しみだ――間違っても自分ってクズなんじゃないか、だなんて思ってはいけない。そんなことを思ったら、不幸の神様がついてまわるからね。
財布に入っているのは五万円。自分がナツキ・スバルだった頃に換金して入れっぱなしだった五万円である。これだけあれば大丈夫だろう。十分だ。このころの俺はそう楽観していた――。
当日
着替えを終えて玄関を出る。早朝、アスナ(奥さん)に結構なマジトーンで「旅行の時よりなんでそんなサクサク早起きしてるの?」と詰められたが問題は無い。俺はキリトだ。アインクラッドがあれば攻略しに行くが我が定め。
道中のコンビニでコーヒを三本買った。アインクラッドは全百層だ。長丁場になることは間違いない。だがそこでふと思い立つことがあった。俺はキリトだ――だけど自らのHPは五万しかない。バトルヒーリングスキルによる自動回復もない。SAOにおけるHPは生存権利である。
少し迷ってから、俺はATMを操作した。五万円を新たに下ろしたのだ。いわばこれは回復結晶。いざゲームオーバーという時に、SAOというデスゲームから身を守る為の唯一の手段である。
そしてAM9:55分。初めてパチ屋の朝一並びに身を落とした。パチ屋に朝一で並ぶのは少し恥ずかしいが、なんてことはない。今の俺はキリトなのだ。かつてのキリトもSAOやりたさにナーヴギアを並んで買ったに違いない。俺のSAOはもう目の前である。
SAO開幕
「いくよ諭吉君! スイッチ!」
このアインクラッドは手ごわいだなんてものではなかった。白バレを適度に挟みつつも、諭吉君をスイッチし続けなければ玉が持たなかった。大〇技研の茅場晶彦はいったいなにを考えて白バレなんて実装したんだ――STANBYしてもショボリーチしかかからないじゃないか。
「アスナ(おっさん)――俺、先に行くよ」
俺はキリトだ。だけど一人でアインクラッドをクリアすることはできない。朝一から隣で打っていたスーツのおっさんをアスナだと思う事にした。朝一から共に戦うパートナーだ。
迫る400回転。ついに俺のアインクラッドが祝福の音を上げた。白バレ>黒の衝撃>時短HITである。確変ではなかったが、時短中にスターバーストストリーム(SBS)を解き放ち、91層ボスフロアに到達することができた。
一方、アスナ(おっさん)は400回転の間、赤バレも白バレもなくハメこんでいた。不穏な滑り出しだ。確変を引いた俺は先で待ってるぞ、そう内心でアスナ(おっさん)へと呟いた。
今俺が戦わなくてはいけないのは91層ボスだ。そして二刀流スキルを開放した俺は――駆け抜けた。その速さは正に光陰矢の如し。あっという間の転落劇である。33%もあるらしい閃光チャンスもなく、通常に戻った。思わず体術スキルであるエンブレイザーを放ちかけた。
「回転数なんてただの数字だよ」
俺は上を見上げる。そこに刻まれている回転数は900。アスナ(おっさん)の回転数は1200。この世のすべての悪を凝縮し、煮詰めたかのような数字だった。白バレもかれこれ数百ゲームは起きていない。この世界は剣(諭吉)だけでどこまでもいけるはずだったのに、どうしてこうなってしまったのか。俺達のHPは赤く染まり、生存権利を剥奪される寸前まで追い詰められていた。
煙草を一箱も吸ってしまった。仕方なく次の煙草を取り出そうとしたところで――アスナ(おっさん)に至高の赤先バレが訪れる。今まで何もなかった。何もなかったのだ。まさにその赤バレは何度も何度も敵を倒した先にドロップしたレア物。この機会を逃す訳にはいかないだろう――自らの画面上で積み重なる回転数を見つつ、横目で俺はアスナ(おっさん)の赤バレを応援した。
「さよならキリト君――」「(アスナ――!!)」
時短だった。これ以上言葉は必要ないだろう。1200回転、朝一から隣で戦ってきたアスナ(おっさん)はデスゲームの争いに負けて散っていった。もうスイッチする諭吉君はいないのだろう。横目で見えてしまった財布が、少し寂しく見えた。
「それが諭吉製MMOの理不尽さなんだ」
繰り返される時短、そしてあまりにも短い91層。諭吉君とスイッチをし続けることはや数時間。俺は、このあまりにも醜いMMOに絶望していた。SAOが俺に与えるダメージは分間100玉、財布が与えるバトルヒーリングスキルは30分に一万円。そんなんじゃ何度攻撃しても倒せないよ。そんな強がりも言えなくなってしまった。
だがしかし。しかしなのだ。今日は朝一から並んでまで打ちに来た。負けるわけにはいかないのだ。苦虫を噛み潰したような顔をして俺は出玉とスイッチを繰り返す。残り僅かな出玉が無くなれば、心もとない諭吉とスイッチするしかない。なんて理不尽なMMOなんだ、SAOは。
「ここで逃げるわけにはいかないんだ」
機転は唐突に訪れた。いつもの白い先バレと思ったが――輝きが違う。ラグーラビットの肉だなんて比較対象にすらならない。なんていったってその先バレはレインボーだったんだ。Pフラまでおまけについている。ヒースクリフだなんて目じゃない――61層のセムルブルグから91層まで駆け上がり、91層ボスを撃破して100層の紅玉宮まで辿り着く。
「落ちてもいい確変なんてヌルすぎるぜ!」
全ての負けを取り戻した俺は意気揚々と連荘を繰り返す。ちょっと回せばスターバーストストリーム、味方に任せればPフラ付きのクリティカルHIT。
今までスイッチしてきた全ての諭吉君に感謝しつつ、俺は台の音量を二つ上げてホールにPフラを刻みながら玉を積んでいく。この島は俺の独壇場だ。もっとだ、もっと早く!まだいける! 隣の新しいアスナ(おばさん)が大音量を嫌そうな顔で見ているが知った事か。テンションもソードスキルのキレも最高潮。俺のダークリパルサーも、エリュシデータも喜んでいる。
見てるか、大〇技研の茅場晶彦。俺はSAOをクリアしたよ――。
SAO閉幕
SAOへログインするときよりも増えた諭吉を財布に仕舞い、俺は夜の街へと繰り出した。台風も通り過ぎ、夜の帳もしんと降りている。光る居酒屋の看板や煌々と燈るネオンのライトが、金曜日の街並みを照らしていた。
のべ12時間にも渡る激戦を終えた俺はステーキを食べた。ラグーラビットの肉よりも上手く感じた。ヒレ400gを食した俺は日最後になるであろう諭吉とのスイッチをして家路につく。
割れそうな腰とケツだけが恨めしく感じた。
二度と朝一から十二時間休憩なしでパチンコなんて打つものか。
まとめ
- 通常時は白バレ(PフラUP)で虹バレ待っとけ
- 時短/確変中はPフラ付けとけ
- 突入率50%はマジでささらん。エヴァでいい。
- 先バレ気持ちいいしたいならリゼロでいい。
- でも種よりは全然いい。
- 赤バレはマジでこない。40%なので大体100回転に一回くらいな計算だが、マジでこない。400スルーした時は虚無だった。
- 白も赤も黒の衝撃とか二刀流絡まなきゃハズれ。黒の衝撃の占有率高すぎない?
- 閃光チャンスはないもの。お前らにアスナはいないのだ。
マジで疲れた。朝一パチカスした記念にブログかいた。
勝ちたい人はエヴァ打っとけばいいです、これはマジ。
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